立体作品の複製 その2

  • 2014.03.26 Wednesday
  • 15:06
昨年末試みたレジンキャストによる複製は、シリコン型は上手く出来たものの、いざレジン(形成樹脂)を流し込むと空気が抜けずに鼻や尻尾の先などに届かず、先が途切れた形で失敗。空気抜きの管を広げたり、軽く叩きながら少しづつ流し込むなど、数回試みてかなり改善はされたものの、完全に隅々にレジンが行き渡りません。
おそらく元の型が複雑な所為であると判断。最初から難易度が高すぎたようです。

では仕方ないので2回に分けて作業することに。
一回目は型を合わせずに開いたままで少しだけ流し、細い部分を竹串でつついて気泡をかき出して硬化させます。
 
次に型を合わせ、手作りの木枠に挟み込んでネジで留めて上から流し入れます。これでまんべんなく行き渡っていることを願い硬化を待ちつつ一服。 完全に固まったのを確認し、おそるおそる開いてみると・・・・
 
細い部分も出来ていました。2回に分けたことで、継ぎ目が出るかと思ったのですが、見当たりません。


これで枝から切り離し、型の合わせ目のバリと切り口を均せば着色可能になりました。どんどん数を増やして展示作品や販売オブジェのキャラクターとして活躍して貰いたいと思います。



普段フィギュア制作とかしてる人にとっては大した事ではない作業かもしれませんが、何せ全くの初心者。試行錯誤の末何とかここまでこぎつけました。
手前の赤頭は型取り用の原型。向こうに転がってるのは切り離した枝(奥右)と失敗作(奥中央)。それもパテで手直しして無駄なく作品に使います。只では転ばん♪。

 

立体作品の複製

  • 2014.01.10 Friday
  • 14:10
今まで個展などで数々の立体作品を展示してきました。
当然手作り、一点のみの作品ということで、一般の美術作品の相場も参考に画廊とも話し合って大きさに応じて数万円と値段を決めていました。
しかし、見た目がどうしても玩具の様に見えるという事もあり、「高い。」「欲しいけれど値段の問題で手が出ない。」などといったご意見を数々伺ってきました。
それでは、お手ごろな価格で出来る複製品を作ってみようと、いつも手伝って貰っている造形屋のシゲヲ製作所に相談。それぞれで型取りの仕方を勉強して、材料を揃え、試作している最中です。

去年のギャラリー代々木での個展で出品した、お猿と小象の汽車のジオラマで、ホームのベンチに集うチビ達。まずはこれをやって見ようという事に。
 

余っていたオーブン粘土で型取り用の原型をまず作ります。色は関係ないので赤い頭で青い体となっています。(これはこれで昔のSFテレビマンガっぽくて面白いけど。) 表半分を取るために油粘土に埋め込みます。空気のにげ道になる竹串も置きます。位置あわせの穴を打って準備完了。
   

型取り用のシリコン(上右写真)を、硬化剤を加え流し込みます。一晩置いて固まったら反対側から油粘土を掘り出して、そこに同様にシリコンを流し、裏面を作ります。 固まって裏面表面をはがすと・・・
    

原型の部分が中空になった型が出来ました。同様に小象の分も。
  
この型を合わせてレジン(樹脂材料)を流し込むと、原型と同じ形のフィギュアが出来るはず。


早速試しにレジン(ウレタン樹脂)を流し入れて見ると、細かい鼻先足先に届かず、失敗続き。(写真ナシ) 空気抜きの改善、流し込み方など結構難しいそうです。取り敢えず型としては上手くいった様なのでひとまずここで終了。今後も挑戦は続きそう・・・
 
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リトグラフ制作その4

  • 2013.05.06 Monday
  • 13:52
 色々な手数を踏まえ出来た版を使って刷っていきます。

まずは刷り色を決め、インキを調合します。
黒、金赤(朱色)、黄色の三色を使いセピア色を作りました。 
ゴムのローラーで平らに薄く引き伸ばします。
  


この機械で刷ります。いわゆるリトグラフの機械ではなく、業務印刷での色校正刷り(印刷物の見本を刷ること)に使っていたかなり昔の機械です。
リトグラフのプレス機は直接版に紙をのせて圧力をかける刷り方ですが、それより少し進歩した物で、版からゴムを張った輪胴(オレンジの部分間の紺色のドラム部分)にインキを転写し、そこから更に紙に写し取る方式(オフセット)です。


機械に版を置きます。かなり古いタイプの機械なので版を固定する器具は無く、版の下に薄く水を引き、版を圧着します。 右側は刷る紙を置く部分です。こちらは端に金属の爪があり、ペダルで開閉し、紙を挟んで固定させられます。


製版作業でのせたインキを溶剤で洗い落とします。
間をあけず水でアラビアゴム液を洗い流しスポンジできれいに拭き取ります
 

インキをならしておいたローラーを版面に転がし、インキを版にのせていきます。この時、常に版面が湿っているように、合間でまめに水を含ませたスポンジで版面を拭きます。

これで、版面の絵柄部分にセピア色のインキが乗った状態になりました。
  

紙を機械にセットします下にあるペダルを踏み、爪(紙の左端の等間隔にあるもの)を開けさせて所定の位置に紙をのせ、爪を元に戻すと固定されます。
用紙は今回はアルジョマリー社製べランアルシュの白を使っています。高価な紙なので慎重に慎重に・・・
 

クランクを回し転写胴(正式名称不明)を引き寄せます。
 

転写胴を転がしていきます。版から胴、胴から紙へと絵柄通りのインキが転写されていきます。
  

左が版、右が写し取られた(刷られた)用紙です。版に描いたクレヨンのタッチがそのまま再現されています。


以上の事を刷る枚数分×刷る色(版)数繰り返します。この作品は20枚ほど2色の予定なので、40回位ですが、4〜5色(版)以上で枚数も多いとかなりな回数、時間がかかります。

版の下準備から製版、刷りと手間をかけねば出来ないので、これがリトグラフが敬遠されがちな要因かと思われますが、手描きのような細かいタッチを再現できる、色も自由に調合し、重ね合わせも可能な美しい色彩を出せるなど、非常に魅力的な手法の一つです。 
最後の色を刷り重ね、完成した時の感動は他に代えがたいと言えます。

          
  これで5版刷り。(内訳:セピア、赤、青、黄、背景のグラデーション)

リトグラフ制作その3

  • 2013.04.30 Tuesday
  • 14:51
散らかりまくりの作業場・・・


 絵柄を描き終え、時間を置いて寝かせた版を、更に安定した印刷を可能にするために製版という作業を行い、版に絵柄を定着させます。




表面に塗布したアラビアゴム溶液(以下ゴム液)を洗い流し、再び濃度の高い物を塗り直します。乾かないうちに布で軽く均して描いた画材の上のゴム液をふき取ります。こうして、画材の付いている部分(画線部)以外の部分のみゴム液が乗っている状態を作ります。
 


(左)ゴム液をよく乾かし、溶剤で画材を溶かし拭き取ります。このとき、ゴム液は溶剤では溶けないので、画線部以外はゴム液で保護されている状態です。
(中)そこに液状のアスファルト(タール、チンクタールとも言う)をこすり付けます。
(右)均一にならして水でゴム液を洗い流します。
  


版をスポンジで湿らせながら油性インキをローラーで版面に付けていきます。(左)インキは湿っている部分は水分ではじかれて付かず、アスファルトが付いている画線部のみに油性同士引き付けられて乗って行きます。(右)ここがリトグラフの理屈の重要なところ。
 


インキを保護するための松脂の粉をはたき付け、ゴム液を全体に塗布します。条件によってはこの工程の間に薬品処理して、画線部以外の親水性(水分を引き付け、保湿しやすい性質)を更に強めることもあります。
 


これで刷るための版が出来ました。このとき使ったインキは刷る為の物では無く、画線部を保護する為の専用インキを使っています。

初めて触れる人には判りにくいことも多いかと思いますが、詳しい説明は又の機会に置いといて先に進めたいと思います。次にやっと刷る作業に移ります。 (続く)


地味な絵ばかりだったので(季節外れ乍)、ちょっと華やかな風景でも・・・

リトグラフ制作その2

  • 2013.04.28 Sunday
  • 14:31

輪郭線を転写した版面に絵を描いていきます。

画材は油性の物である必要があります。ウチでは主にダーマトグラフという紙で巻いた軸のクレヨンを使っています。
他にも専用のクレヨンなどありますが、価格が桁違いに高いので殆ど使った事がありません。それ以外にも書道の墨のような、スティック状の専用溶き墨、普通のクレヨン、油性ボールペンなども、画材として適しているのですが、作風の都合上の選択で、あまり使いません。

 

外枠の線、天体、飛行体(のような物)と順に描いていきます。
  

巨大魚の骨(らしき物)も下絵を思い出しながら。
   

ここで一旦クレヨンを置いて、枠の線に沿ってと、球体の絵柄をマスキングします。 下準備にも使用したアラビアゴムという樹脂の溶液を使います。これを塗って乾かすと画材が版に定着するのを防ぐので、細かい白抜きなどにも使用します。
これによって余分な所に画線がはみ出るのが防げます。
  

地面部分、空の部分に調子を入れていきます。
  

これで描きあがりです。比較的密度が薄い絵柄なので、数時間で描き上げましたが、もっと大きく、密度の高い絵だと数日かけることもあります。


これがリトグラフの版になる訳ですが、すぐに刷る工程には移りません。まず全体にアラビアゴム溶液を塗布し、一定時間(おおよそ一晩が目安)寝かせて、刷りを安定させるための製版という作業を行います。 (続く)

リトグラフ制作その1

  • 2013.04.24 Wednesday
  • 18:28
個展に向けてリトグラフ作品の製作に勤しんでいます。

リトグラフとは、石版画のことで、200年程前に開発された印刷手段です。
詳しい歴史や仕組みはいずれ触れたいと思いますが、実際の進行をまずは解説していきたいと思います。


先ずは絵柄を考えます。実際の風景を参考にしたり、頭に思い浮かんだ光景をこねくり回して具象化したり、何となく鉛筆を走らせてみたりと発想の出し方はその時それぞれ。紙、版の大きさを考慮して全体の大きさを決め、下絵を作成します。

 
版を用意します。本来リトグラフは石の板の表面を磨いたものを使っていましたが、現在はアルミや亜鉛などの金属板を使う事が多いようです。写真では判りづらいですが、薄いアルミの板です。表面を紙やすりの様にざらざらに目立てしてあります。


下絵と版の間に挟んでいる薄茶の紙は、クラフト紙に弁柄という赤い顔料をこすりつけてある転写紙です。上からボールペンで輪郭線をなぞって描くと板に顔料が線になって写されます。


薄く輪郭線が版に写されました。多色刷りの位置合わせのために+印を付け、よごれ防止のためのマスキングを四方に施します。これで版に絵柄を描く準備が出来ました。


まだまだここまでは版画制作の前の前の段階です。これから板に描き、それを紙に写し取ってやっと版画が出来上がり。普段何も考えずにこれを繰り返しているのですが、改めて書き記すとやる事がなかなか多いと思わせられます。 (続く)

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